何が言いたいんだろう

2か国語を自在に操る「バイリンガル」は、1か国語しか話さない人より、認知症の発症が約4年遅いという分析結果を、ヨーク大学(カナダ)などの研究チームが発表した。

 若いころ身につけた2か国語をずっと使い続けてきたバイリンガルは93人で、認知症の発症年齢は平均75・5歳だった。一方、1か国語だけの91人は平均71・4歳で、4・1年早かった。

(2007年1月14日9時53分 読売新聞)

元の論文とデータを見ないでこんなこと言うのもどうかと思うけど、本当に有意差があるのかなあ。だいたい、認知症で受診した患者を母集団に発症年齢の統計を取ってもあまり意味があるとは思えないんだけど。遺伝的要因とか経済的要因とか生活習慣の違いなんかも考慮しないと、バイリンガルと発症年齢の因果関係は言えないわけだし。そう考えると、バイリンガルは4年遅いという見出しは間違いではないかもしれないけど、ミスリーディングの可能性が高いんじゃないだろうか。あ、でも本文にバイリンガルだと認知症の発症が遅くなる理由は、今のところ不明なんて書いちゃってるなあ。本当に論文にそんな事書いてあったんだろうか。